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勉強会:コンポジットレジンの研磨が表面性状に及ぼす影響

2024-12-13

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

 

コンポジットレジンには様々な種類があり、色だけでなく硬度などに差があるため、用途による使い分けが必要です。
そんなコンポジットレジンの中でも、バルクフィルタイプというものは光硬化深度が高く、重合収縮が小さいという特徴があり、大型窩洞に一括で充填できるものとして使用されています。
そんなバルクフィルタイプを充填後、研磨する際の表面性状に及ぼす影響について論文が発表されたため、院内勉強会で共有しました。

 

この研究では、形態修正および研磨操作がコンポジットレジンの表面性状、
特に表面粗さと光沢度に及ぼす影響が詳細に検討されました。
結果として、形態修正と研磨を施すことで、表面粗さが低下し、
光沢度が上昇する傾向が確認されました。
特に、研磨条件が表面性状に大きな影響を与えることがわかり、
最終仕上げの工程で適切な研磨を行う重要性が示されました。
また、研磨後の表面自由エネルギーに関しては、特定の研磨材(SSD)が高い値を示したことから、
表面エネルギーをコントロールすることで、プラークの付着抑制や審美性の維持が期待されます。

 

この知見は、日々の臨床で使用する材料や手技選択において非常に示唆的です。
審美歯科治療では、治療結果が患者様の満足度に直結するため、
材料特性や操作方法に対する深い理解が欠かせません。
特に、審美的な補綴物を提供する際、材料の選択だけでなく
その後の形態修正や研磨工程にまで配慮を払うことが、最良の結果につながります。