バッカルコリドーとは?原因・治療について

「バッカルコリドー」とはなに?

「バッカルコリドー」とは

美容に対する意識がとても高い女性を中心に、バッカルコリドー(Buccal Corridor)という言葉が使われています。聞き慣れない言葉だという人のほうが多いかもしれません。
バッカルコリドーとは、笑ったときなどに口角と、歯の隙間に見える影や隙間の部分のことを指します。バッカルコリダー、ブラックスペース、頬壁と呼ぶこともあります。
歯並びに問題がない場合は、バッカルコリドーがあることが悪いこと、ないことが悪いことなど、優劣があるわけではありません。頬壁があるほうがかわいいという人もいれば、笑顔の口の端には影がない方が美人だという人もいます。

しかし、口の端の空間の広さ、影の有無や量で笑顔の印象が変わるため、ご自分が求める美しさを追求するために、バッカルコリドーを歯科治療でなくしたい、または作りたいという希望をお持ちの方もいらっしゃいます。
そこで、こちらではバッカルコリドーができる原因や、どのような治療方法があるのか解説いたします。美しいお口元を追求したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

なぜバッカルコリドーができるの?

狭窄歯列弓によって影ができる

バッカルコリドーがある状態とない状態の比較

笑ったときに口角と歯の隙間に影ができるということは、お口の大きさに対して歯列全体の歯並びの曲線である歯列弓(しれつきゅう)が狭く、カーブが急になっています。
そのような狭い歯列弓を狭窄歯列弓(きょうさくしれつきゅう)といいます。

反対に、バッカルコリドーがない状態は、歯列弓が広がっていて歯並びのカーブが大きく緩やかになっています。バッカルコリドーがないということは、奥の歯までよく見えている状態です。
歯並びが左右対称でなく、左右のどちらかの歯列だけが内側に偏っている場合は、片方の口角にだけバッカルコリドーがある状態になります。

左右対称でない歯並びは、見た目だけの問題でなく、噛み合わせなど機能面・健康面での問題が発生します。そういった歯並びの場合は、見た目が気になっていなかったとしても、将来的なトラブルを避けるため、早めの歯並び治療を受けられることをおすすめいたします。

歯列弓に個人差がある原因

歯列弓の大きさは、顎骨の大きさや形状、歯の数や形状、歯の生え方の向きや傾き、歯の間隔などが人によって異なるため、それらが複合的に影響して個人差が生まれます。
これらは遺伝的な要因によって起こりますが、睡眠時の姿勢、頬杖など歯を押す癖、舌の癖などによっても歯並びのアーチの形が変化し、歯並びも変わります。
歯を頬の外側から押す力が強くなると、臼歯部(奥歯)の幅が狭くなり、前歯は前方に傾斜します。

つまり出っ歯の歯並びとなると、歯列のカーブは急になり、歯列弓は細い三角形のようになるので、バッカルコリドーが大きくなります。

また、歯が並ぶためのスペースが不足した状態にもなるため、ガタガタな歯並び(叢生)にもなっている傾向があります。

バッカルコリドーの有無によるお顔の印象とは

モデルの写真を使用したイメージ画像

※歯の違いによるお顔の印象を比較するため、モデルの写真を使用したイメージです。実際の症例や治療の結果を証明するものではありません。

画像の女性は、バッカルコリドーの部分以外同じ顔ですが、左右の写真を比べるとお口元の印象が大きく違うと思いませんか?全く同じ笑い方・口の大きさでも、バッカルコリドーがある右側の写真では、笑顔が控えめな印象になっています。
バッカルコリドーがあると、口の中が狭くなってしまい、口角が下がった印象を与えることがあります。また、口の中が暗くなってしまい、歯がうまく見えなくなっていることから、笑顔が暗いという印象を受けることもあるようです。
しかし、日本人らしくかわいい印象の笑顔の方には、バッカルコリドーがあることも多いように感じます。
バッカルコリドーがない方は、欧米人のような眩しい笑顔が素敵な印象があります。

芸能人だと、バッカルコリドーのある広瀬すずさんのお口元と、バッカルコリドーのない広瀬アリスさんのお口元をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
広瀬姉妹はお二人とも、とても素敵な笑顔を持っています。彼女たちの笑顔は、どちらも非常に魅力的ですが、印象は全く違いますよね。

モデル写真を使用したイメージ画像

広瀬すずさんの笑顔は、可憐でかわいらしい印象を与えます。彼女の口元はやや上がり気味で、その笑顔は自然な印象を受け、愛らしさや女性的な印象を表現しているように感じられます。

モデル写真を使用したイメージ画像

一方、広瀬アリスさんの笑顔は、大人っぽくしっかりした印象を与えます。きれいな歯並びで白く輝く歯を見せることで、よりはっきりとした印象を与え、自信や強さを表現しているように感じられます。

両方の笑顔にそれぞれ魅力があり、その人物の個性や印象を表現しています。
したがって、バッカルコリドーがあるからと言って、必ずしも見た目がマイナスに捉えられるということはありません。
しかし、上記の歯列弓狭窄に関する説明部分の通り、出っ歯や叢生の歯並びになってしまっている場合は放置してもいいものではないので、その場合は歯並びの治療をご検討ください。

バッカルコリドーの治療方法

セラミック矯正による治療

セラミック

セラミック矯正は歯並び、歯の白さ、角度や大きさなども思い通りなので、笑ったときにどの程度歯が見えるようにしたいかといった希望も叶えることができます。

バッカルコリドーをなくしたいという方は、影ができる部分の小臼歯や大臼歯を頬側に煽ってセラミックを被せる、色を明るめに作る、歯を大きめに作って見えたときに目立たせるなど、様々な方法で影を目立たなくすることが可能です。

もとの歯並びによっては完全に影をなくしてしまうことが難しいという場合もあります。その場合は部分矯正もしくは全体矯正治療とセラミック矯正治療の併用で、理想に近づけることができるでしょう。
歯列矯正よりもスピーディに、数回の治療で完了するのがセラミック矯正のメリットです。
今すぐにでもバッカルコリドーをなくしたいという方は、セラミック矯正が向いていると思われます。

実際の症例


ビフォー

保険診療

アフター

自費診療

歯並びが悪く、反対咬合になっていることがお悩みとのことで来院いただいた患者様です。
また、歯列弓が狭く、口の両端の影であるバッカルコリドーが目立つことも気にされていました。
セラミッククラウンの角度を唇側・頬側(外側)につけて、歯列弓を広げることでバッカルコリドーも目立たなくなり、美しい歯並びを手に入れられました。

施 術 名    │セラミック治療
料   金    │1本32,000円~70,000円(治療費は材質や治療本数によって異なります)
考えられるリスク │治療後は正しく歯を磨く必要があります。清掃が不十分だと虫歯になったり歯周病を発症してしまいます。定期検診を受診してください。

ワイヤー矯正・マウスピース矯正などの歯列矯正による治療

ワイヤー矯正・マウスピース矯正

歯列矯正によって歯を動かし、歯並びをよくすることでバッカルコリドーを改善することができます。歯列矯正には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの方法があります。

ワイヤー矯正では、歯にブラケットと呼ばれる小さな金属の装置をつけ、ワイヤーで繋ぎます。ワイヤーを調整することで、歯を動かし、バッカルコリドーを改善することができます。

矯正治療中に目立つ器具をつけたくないという方には、透明で目立たないマウスピースを使うマウスピース矯正がおすすめです。
博多プライベート歯科では、全体矯正に対応しているインビザライン・シュアスマイルをご提供しています。

歯列矯正の治療期間には個人差がありますが、1年から2年程度が一般的です。また、治療後もリテーナーと呼ばれる装置を使用することで、治療成果を維持することができます。
歯列矯正だけでは成果が得られない症例には、セラミック治療との併用が効果的です。

拡大床・MFT(口腔筋機能療法)による治療

バッカルコリドーができる原因となる狭窄歯列弓は、鼻ではなく口で呼吸する癖で起こる歯並びでもあります。
鼻で呼吸ができず口呼吸をしていると、いつも口を開いている状態になるため、舌が正しい位置においておけない・頬の筋肉のバランスが取れないなどの問題が起こり、前歯が前方に突出していきます。
狭窄歯列弓を改善する方法には、拡大床による歯列を広げる治療や、MFTによるトレーニングもあります。

拡大床


拡大床

本来は緩やかなU字になっているはずの歯列弓が、狭くV字になっている狭窄歯列弓になっているケースでは、拡大床によって歯列弓を拡大する治療が有効な場合があります。
拡大床で十分なスペースを得ることができれば、抜歯をせずに歯並びをきれいにすることができます。
特に子供の矯正の場合は、拡大床による治療で十分な効果を得られることが多くあります。

しかし拡大床の安易な使用は危険です。骨を広げるのではなく、あくまで歯を外側へ倒す装置です。経験豊富な医師の判断・指導のもとでの使用を心がけてください。

MFT(口腔筋機能療法)


MFT(口腔筋機能療法)

MFT(口腔筋機能療法)とは、Oral Myofunctional Therapyの略で、顎口腔機能療法の一種です。MFTは、口腔内の筋肉と舌の運動を調整し、正しい咀嚼、発音、呼吸、嚥下を促進することで、歯並びや顎の形成に影響を与えることができます。

狭窄歯列弓の改善には、MFTが有効な場合があります。MFTは、口腔内の筋肉や舌の位置を正常に戻すことで、歯列弓の拡大を促進することができます。MFTの具体的な内容としては、以下のようなものがあります。

・咀嚼筋のトレーニング
前歯を後ろに下げ、唇を閉じやすい状況を作っていくと同時に、鼻で息をするように習慣付けていく必要があります。咀嚼筋を鍛えることで、口腔内の筋肉を正しい位置に戻すことができます。

・舌の位置の修正
舌を正しい位置に戻すことで、口腔内の筋肉を正しい位置に戻し、歯列弓の拡大を促進することができます。
舌の正しい位置とは、上顎に全体がくっついていて、舌の先端は上の前歯の裏にわずかに触れている状態です。

・呼吸筋のトレーニング
呼吸筋を鍛えることで、正しい呼吸を促進することができます。口呼吸を改善することで、口腔内の筋肉を正しい位置に戻し、歯列弓の拡大を促進することができます。

以上のような方法が狭窄歯列弓の改善に役立ちます。ただし、症状の程度によっては、拡大床やMFTだけでは改善しない場合もあります。その場合は、矯正治療や外科手術などの適切な治療が必要になります。

理想の実現は博多プライベート歯科にお任せください

バッカルコリドー(頬壁)は、笑顔でも歯が暗く見えてしまう・幼く見られたくない人には自信が持てない歯並びになってしまうというデメリットがあります。
笑ったときに口の隅っこに影ができてしまうのが嫌だ、笑顔が暗いと言われてしまった、もっと明るい笑顔になりたいという方や、白い歯が奥まではっきりと見え、華やかな印象のハリウッドスマイルを目指す方は、治療しておきたい歯並びでしょう。
▶ ハリウッドスマイルについて 詳しくはこちら

当院では、バッカルコリドーを含め、様々なお悩みを解決する治療をご提供しています。美しい歯並び治療を専門に行う歯科医師が、患者様のお悩みやご希望に合わせて、適した治療方法をご提案いたします。
治療前には、詳しいカウンセリングを行い、患者様と一緒に治療計画を立てます。治療中も、患者様の状態を把握しながら、適切な調整を行い、治療の進捗を確認します。

また、治療後も定期的なメンテナンスを行い、治療成果を維持するサポートを行っています。
理想のお口元を実現するために、当院の歯科医師が親身になって対応させていただきます。まずはお気軽にご相談ください。