当院にご来院になる患者様の中に、自分の前歯が大きくて目立つので小さく調整して整えてほしいとおっしゃる方が少なくありません。
大抵の場合は上の真ん中2本の前歯(上顎中切歯)が大きすぎるとお悩みの方が多くいらっしゃいます。
大きな前歯を小さくするには、歯の大きさ自体を小さくするほか、矯正治療やセラミック治療でも解決できる場合があります。
こちらでは大きな前歯を小さくする治療について詳しくご紹介いたしますので、大きな前歯に悩まれている方はぜひ最後までご覧ください。
「絶対的に大きい」とは、歯のサイズ自体が実際に大きいということです。
上の真ん中の2本の前歯(上顎中切歯)の大きさの平均は、男性が横幅8.6mm・長さが10~11mmです。女性の場合は幅8.5mm・長さは男性と同じく10~11mm前後です。
この数値を超過すると前歯が大きい方だと言えます。
歯が大きくなるのは遺伝的要因もありますが、顎が未発達なことによっても前歯が大きくなる場合があります。
「相対的に歯が大きい」とは、歯の大きさ自体はそんなに大きくなくても、歯並びや骨格など何らかの理由で前歯が大きく見えているという場合です。
上記の平均的な歯の大きさよりも実際に歯が大きかったとしても、目や鼻などのお顔の他のパーツも大きい場合は、歯だけが大きく目立つということはないかもしれません。
反対に、歯の大きさ自体は平均以下の大きさであっても、お顔や他の歯の大きさとのバランス次第では、前歯だけがとても大きく見えて目立つことがあります。
上の真ん中2本の前歯(上顎中切歯)の隣の歯(側切歯)が小さい矮小歯になっている、隣の歯(側切歯)が奥(口蓋側)に引っ込んだ位置に生えていて上顎中切歯が前に出ているように見えるなどの原因で、相対的に前歯が大きく見えます。
リスやうさぎなど、げっ歯類の小動物に例えられ、かわいいチャームポイントという捉え方もできる大きな前歯ですが、ご本人にとってはコンプレックスだったり、美意識にそぐわないものだったりすることもあります。
ビーバーやネズミと呼ばれていじめられてきたと、辛そうにご相談くださる患者様もいらっしゃいました。
歯並びが原因で前歯が大きく見えている場合は、前歯以外の歯並びもガタガタの叢生になりがちなので、他人から余計にマイナスの印象を持たれてしまうケースもあるかもしれません。
すべての歯が均等に対合歯に当たるような状態が、噛み合わせがいい状態です。
歯並びの問題で歯が大きくなっている場合、反対の対合歯と噛み合っている歯と、あまり対合歯に当たっていない歯が混在している状態になり、歯ごとに受ける負担の大きさもバラバラになります。この咬み合わせが悪い状態のままの歯並びで過ごしていると、顎関節症や偏頭痛、肩こりや倦怠感など、お口だけでなく体の健康も損ねてしまいます。
悪い歯並びは歳を取るごとに悪化していきます。若い頃は少し出っ歯気味かもしれない、くらいだった歯並びが、中年ほどになると、とても突出した出っ歯(上顎前突)になってしまうということがあります。早めに治療しておくことが大切です。
また、大きな歯になっているような歯並びだけに限らず、歯並びが悪い状態では歯磨きがしにくいため汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病リスクも高まります。
絶対的に歯が大きい場合は、歯の大きさそのものを変えることでしか歯を小さくすることはできません。
どれほど小さく変えたいかにもよりますが、前歯をただ小さく削るだけでは歯の中の神経が露出してしまうため、神経を抜いて差し歯を被せる必要があります。
保険の差し歯である前装冠は、他人から見える唇側だけにプラスチックを貼り付けた金属製の被せ物です。プラスチックがすぐに黄色く変色しやすく割れやすい・金属の色が歯茎に移って歯茎が黒くなる・金属アレルギーの方には使えないなど、様々なデメリットがある前装冠は、美しさを求めて前歯を差し歯にしたいという方にはお勧めいたしません。
保険の差し歯にはもう一つCAD/CAM冠という金属を使用しない差し歯もありますが、こちらにもデメリットがあったり、そもそも取り扱っていない歯科医院もあったりするので、詳しくはこちら「保険の白い差し歯と自費のセラミックの違い」をご覧ください。
セラミッククラウンは、大きさはもちろん、角度や歯の色などもご自分の思い通りに短期間で作れるという利点があります。前歯2本だけでなく、両側の犬歯までの合計6本ほどにセラミッククラウンを被せるセラミック矯正治療を行うと、歯並びまで改善させることができます。
ジルコニアなど硬い素材を使用するため、割れにくく色の劣化もありません。入れたばかりの美しさを保ち続けられるのも人気の理由です。
また、仮歯の装着までを最短0.5日で行えるというハイスピードな治療であるということもあり、1日でも早くきれいになりたいという方に選ばれています。何度も通院する必要がないので、忙しい方にも嬉しい治療期間で美しい歯を手に入れることができます。
美しいだけでなく噛み合わせの改善もできるので、偏頭痛などの症状に悩まされている方にもおすすめです。
デメリットとしては、健康な歯を削って神経を抜くことになってしまうので、抵抗のある方には向いていないということです。他の治療方法の治療費・治療期間・仕上がりの美しさをしっかり比較し、どの治療がご自分に合っているか、理想の大きさの歯を手に入れられそうか確認しましょう。
歯の大きさでお悩みだった患者様の症例写真です。
セラミッククラウンを被せて治療することで、歯の大きさだけでなく
ガタガタの歯並びや、黄ばんでしまっていた歯の色も改善できました。
治療前
治療後
施 術 名 │セラミック治療
料 金 │1本32,000円~70,000円(治療費は材質や治療本数によって異なります)
考えられるリスク│治療後は正しく歯を磨く必要があります。清掃が不十分だと虫歯になったり歯周病を発症してしまいます。定期検診を受診してください。
相対的な前歯の大きさは、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で正しい歯並びに治療することで小さく見えるようにできることがあります。
奥に引っ込んでいた歯を前に出し、出すぎていた歯は奥に引っ込めて、すべての歯がバランスよく見えるようにできれば、前歯だけが特別大きく目立つことはなくなります。
インビザラインやシュアスマイルなどのマウスピース矯正は、透明なマウスピースで歯を少しずつ動かしていく矯正方法です。透明なので装着していても目立たず、部分矯正にも全体矯正にも対応できるので、近年とても人気の高まっている治療方法です。
しかしワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも、部分矯正は奥歯を動かさず前歯だけを動かして並べます。前歯が並ぶスペースが無いまま部分矯正を行うと、出っ歯になってしまう恐れがあります。どのようなお口の状態なら部分矯正が適しているのかどうか、しっかり診断できる医師の技術力や判断力が問われます。
全体矯正を行う場合は、歯が並ぶスペースを作るために、多くの場合は小臼歯を抜歯する必要があります。
抜歯が怖い、健康な歯を抜いてしまうのはもったいない気がするという方には、セラミック矯正のほうが向いています。
歯列矯正を終えて、まだ歯が大きいと感じるのであれば、結局歯を削ったりセラミッククラウンを被せたりして歯の大きさ自体を小さくするしかありません。
矯正治療で前歯以外の歯並びも治ったということであれば、矯正治療が全くの無駄だったとはならないのですが、治療時間と治療費は追加で必要となるので、予定に間に合うように治療したかった・予算オーバーしてしまったという後悔は残ってしまうかもしれません。
歯列矯正は年単位の長い期間矯正装置をつけていなければならないこと、治療費が高額になることが大きなデメリットとして挙げられます。
高額な治療費と長い治療期間をかけたくない方や、歯の色なども一緒にキレイにしたいという方には、歯列矯正での治療は向いていません。
歯は一番外側を硬いエナメル質で覆われています。このエナメル質が冷たいものや熱いものなどからの刺激から歯を守ってくれて、痛みを感じないようになっています。
歯を小さくしたい場合、エナメル質までなら削れますが、エナメル質はおよそ2~3ミリほどの厚みしかありません。したがって、歯を小さくするには、削り足りないと感じられる方が多いでしょう。
しかし削りすぎると、冷たいものや熱いものがしみる知覚過敏の状態になってしまいます。
また、削ることができるのは縦の長さのみです。横幅を削ると歯と歯の隙間が大きく空いてしまうので、削った後に部分矯正で歯を詰めるなどする予定ではない限りは、横幅を削って歯の細さを変えることはできません。
長さを削りすぎるのも、天然歯の色のグラデーションを損ねることがあるため、長くても1ミリ以下ほどしか削らないことをおすすめします。もっと削りたいという場合は、神経を抜いてセラミッククラウンを被せる必要があります。
歯を白くするならホワイトニングをすればいいというイメージがあるかもしれませんが、ホワイトニングは効果に個人差があり、白さにムラが発生することもあります。また、食べ物の色素やタバコのヤニによってすぐに後戻りしてしまうこともあります。
ただ歯を削ればいいということではなく、患者様の考え方やお口の状態でどのような治療方法が合っているか異なります。完璧に美しさを追求したいという方には、前歯の大きさ・形・角度・色などがすべてオーダーできるセラミック矯正治療をお勧めいたします。
どのような治療方法が合っているのか自分ではわからない・もっと詳しくプロから話を聴きたいなどご希望があれば、ぜひ博多プライベート歯科の無料カウンセリングにお越しください。
当院では患者様のコンプレックスを取り除き、自信にあふれる笑顔を取り戻していただきたいという考えで治療を行っています。最終的に目指すゴールはどのようなものなのか、しっかりお話を伺ってから、患者様ごとに適した治療をご提案・ご提供いたします。どのようなことでもご相談ください。