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勉強会:ジルコニアの耐久性向上のポイント

2025-10-15

こんにちは。博多プライベート歯科のドクター田中です。

 

今回の勉強会では、ジルコニア修復物の接着強度を高め、耐久性を向上させるための最新の研究について共有しました。
4つの関連研究をもとに、実験データや臨床試験の結果を踏まえながら、ジルコニア修復の質を向上させるポイントを整理しました。

 

まず、ジルコニアの表面にサンドブラスト処理を施し、
MDP(メタクリロイルオキシデシルリン酸)を基盤とした樹脂セメントを使用すると、
歯との接着性が大幅に向上することが実験室レベルで確認されました。
次に、ジルコニアクラウンの生存率に対するセメントの種類の影響について、
系統的レビューとメタ分析の結果が共有されました。
これにより、使用するセメントの種類に関わらず、ジルコニアクラウンは
少なくとも3年間の高い生存率を示すことが確認されました。

 

また、臨床現場での効果を検証するため、3種類のセラミッククラウンを使った
ランダム化比較試験の結果も共有しました。
3年間の追跡調査で、98.8%という高い成功率と高い患者満足度が報告され、
ジルコニア修復の信頼性が実証されました。
最後に、異なるセメントシステムを使用した場合の接着強度の違いについての研究結果です。
同じシステム内の製品を組み合わせて使用することが、安定した接着性を確保する鍵であることがわかりました。

 

今回の勉強会を通じて、ジルコニア修復物の接着強度を向上させるための具体的な方法が明確になりました。
ジルコニアは審美性・機能性・耐久性に優れた素材ですが、その性能を最大限に引き出すには、適切な表面処理やセメント選択が欠かせません。
当院では、今回の知見を活かし、患者様一人ひとりに最適な治療を提供していきます。
ジルコニア修復の長期安定性を保つためには、治療後の定期メンテナンスも重要です。
今後も最新の知見を取り入れながら、より質の高い治療を提供できるよう努めてまいります。
ジルコニア修復に関心がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。