こんにちは。博多プライベート歯科のドクター田中です。
今回は、前回お話しした論文の内容についてご紹介いたします。
噛むと顎に痛みを感じるほど重度の顎関節症を抱える患者8名を対象に、
スタビライゼーションスプリント(以下SS)を使用した治療を2週間実施し、その経過を観察しました。
この研究により、咀嚼筋痛障害を有する患者において、SS療法が筋肉の痛みを緩和し、
防御的な筋スプリンティング(筋肉の過度な緊張)を軽減することで、
下顎の可動域が拡大することが確認されました。
また、これに伴い、咬合接触状態にも変化が見られる傾向が示されました。
以上の結果から、咀嚼筋痛障害を持つ患者では、発症時に顎の運動制限が生じ、
咬合状態にも変化が起こる可能性があることが示唆されます。
そのため、咬合採得(噛み合わせの記録)や咬合調整を行う際には、
患者様の咀嚼筋に痛みがあるかどうかを十分に考慮する必要があるといえます。
当院では、咬合の適正化を目的とした矯正治療 を通じて、
顎関節への過度な負担を軽減し、顎関節症の発症リスクを低減することを目指しております。
不正咬合による咀嚼時の負担や、不均衡な咬合接触がもたらす顎関節へのストレスは、
長期的に顎機能の異常を引き起こし、顎関節症の原因となることが知られています。
当院では、患者様一人ひとりの顎関節の状態を精査し、
咬合のバランスを考慮した矯正計画を立案することで、審美性の向上だけでなく、
機能的な観点からも健康的な口腔環境を構築することを重視しております。
矯正治療を適切な時期に行うことで、将来的な顎関節症のリスクを軽減し、
快適な咀嚼機能の維持につながる ため、噛み合わせや顎の違和感でお悩みの方は
ぜひ当院までご相談ください。























