歯が黄色いことを気にしている、年々歯が黄ばんできている気がするといったお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
歯が人間の印象に与える影響についてはこちらでもお話ししている通り、真っ白な歯が「爽やか」「きれい」「清潔感がある」「若々しい」といった印象を抱かせるのとは正反対に、歯が黄色い人は「不潔で汚い」「口臭が臭そう」「老けて見える」といった、マイナスの印象を持たれてしまいます。
歯の色というのも身だしなみとして重視するべき大切なもののひとつであると言えます。
虫歯になっているわけでもないのに、どうして歯が黄色くなってしまうのでしょうか。 歯が黄ばむ原因と、その治療方法についてご紹介いたします。
表面がプラスチックに覆われた金属製の保険の差し歯のことを前装冠といいます。前装冠は前歯部分に使われる差し歯なので、黄色くなるととても目立ちます。
前装冠は、表面だけを強化プラスチックで覆った金属製です。作ったばかりの頃のプラスチックの部分は白く美しいですが、劣化が早く、数ヶ月から数年もすれば食べ物の色素が移り、真っ黄色に変色してしまいます。
この黄ばんだプラスチックは、天然歯ではないのでホワイトニング剤もホワイトニング効果のある歯磨き粉なども効きません。
劣化して黄色くなった前装冠を歯から外して作り変えることは不可能ではありませんが、保険適応の治療であるため外すまでに所定の期間を空けなければなりません。
また、一度入れた差し歯を除去するときは、どうしても天然歯部分も多少削ってしまいます。見た目が劣化するたびに前装冠の除去と再製を繰り返すのは、歯のためを考えるとおすすめできません。
差し歯を入れるほど削る必要のなかった虫歯の治療に主に用いられるプラスチック(レジン)の薬剤があります。このプラスチックは、上記差し歯(前装冠)のプラスチックと同じように、最初は白くきれいですが年月とともに段々と劣化していきます。
部分的に詰めた場合、歯が部分的にまだらに黄色や茶色に変色しているように見えてしまうので、虫歯になっていなくても虫食い状に穴が空いているような見た目となってしまいます。
詰め物の場合も上記の差し歯同様、プラスチックで詰めている部分を削って除去し、新しいプラスチックで埋め直すことが可能ですが、保険適応の治療なのでやりかえのためには期間を空けなければいけません。
また、削り取る際には天然歯部分も削ることになりますので、何度も繰り返しているとどんどんご自分の歯が小さくなってしまいます。
歯の健康のことを考えると、すぐに黄色く変色してしまうプラスチック部分を変色のたびに詰め直すというのは、おすすめできません。
歯はエナメル質と象牙質という層によって構成されています。表面の硬いエナメル質は半透明の白で、エナメル質の下の層である象牙質はもともと黄色い色をしています。
しかしこの象牙質は、加齢と共に濃い色に変化していきます。
さらに加齢と共に表面を覆っているエナメル質が少しずつ削れて薄くなっていくことで、象牙質の色が透けて濃く現れ黄色い歯となってしまいます。
また、色とは別に、人は加齢と共に段々出っ歯気味になってきます。
象牙質の黄ばみを白くするだけならホワイトニングでも可能ですが、思ったような効果が得られない場合があり、出っ歯になってしまった歯並びは治すことができません。
先天性のエナメル質形成不全により象牙質の黄色が濃くなり、子供のころから生まれつき歯が黄色いという方もいらっしゃいます。
陶器の湯のみに毎日お茶を入れていると内側に茶渋が付着するように、歯の表面にも色の濃い食べ物によって着色してしまいます。陶器の湯のみであれば漂白剤に浸けておけばきれいになりますが、歯に漂白剤入りの洗剤を使うわけにはいきませんよね。
また、歯に歯垢や歯石といった汚れの塊が付着しているときも、歯が黄ばんで見えます。歯垢の段階であればご自分で歯磨きをすることできれいにできるかもしれませんが、歯垢が唾液の成分によって石灰化した歯石の状態になってしまうと、歯ブラシで除去するのは難しくなります。
自分で歯石を除去する器具が売られていることがありますが、器具を滅菌する設備もないまま知識のない人が無理に自分で歯石を取ろうとすると、歯茎や歯を傷つけてしまいかねません。
タバコの喫煙によるヤニや、食べ物や飲み物など口にするものによっても歯は黄色くなります。ヘビースモーカーな方や、コーヒーやワイン、紅茶などの色の濃い飲み物や、カレーやチョコレート、醤油を使った料理など、色素の強いものを好まれる方は要注意です。
こういった色素(ステイン)は、歯の表面に付着するだけでなく、内部にも浸透して歯を黄色くさせてしまいます。
茶渋のように歯の表面だけに付着した着色なら、クリーニングで表面を磨くだけで取り除くことができますが、歯の中にまで浸透してしまった色素は磨くだけでは抜くことができません。
歯の内部には、歯に栄養を運ぶために神経が通っています。
神経まで到達してしまった虫歯の治療のために神経を抜いた歯や、どこかにぶつけてしまって気づかないうちに中の神経が死んでしまった歯は、黄色や黒ずんだ色に変色してしまいます。子供のころにぶつけた歯が大人になってから変色することもあります。
この黄ばみや黒ずみは汚れではありませんので、磨いただけでは白くなることはありません。
神経がない歯もホワイトニングで白くすることは可能ですが、ご希望どおりの効果が得られなかったり、他の歯と色が揃わなかったりする場合があります。
神経がすでにないということは、歯を削っても痛みが出ないので、セラミックを被せるための形成に適しています。
テトラサイクリン系の抗生物質のお薬を服用した際の副作用として変色してしまった歯を、テトラサイクリン歯といいます。歯ができあがるまでの幼少期(0~12歳ごろ)に、薬を服用すると起こるとされています。
黄色だけでなく、オレンジや灰色に歯が変色することもあります。
こちらも汚れではないので、歯ブラシでいくら磨いても白くなることはありません。 ホワイトニングで白くすることも可能なのですが、元がまだらな色に変色しているため、白さもまだらになってしまったり、不自然な仕上がりになってしまったりすることが多いです。
クリーニング
まず、超音波スケーラーという電動の機械で、歯垢はもちろん歯と歯の間の細かい隙間に付着した頑固な歯石の塊も除去します。超音波を利用するので、従来の針のようになった手動の歯石取り器具のように痛みを感じず、歯にも優しい機械です。
歯石を除去した後は、歯の表面を研磨するペーストと、歯の表面のツヤ出しになる仕上げ用のペーストの2種類を使用して歯を磨きます。 着色汚れは、この研磨用のペーストできれいに取り除くことができます。 どちらのペーストにもフッ素が配合されているため、虫歯予防にも効果的です。
歯の表面に付着した着色やプラークの汚れだけであれば、クリーニングできれいにすることが可能です。 しかし、歯の中に染み込んでしまった色素には、あまり効果はありません。
▼ビフォー
(クリーニング前)
▼アフター
(クリーニング後)
施 術 名 │オーラルエステティック(PMTC)
料 金 │5,000円~10,000円
考えられるリスク │治療後は正しく歯を磨く必要があります。清掃が不十分だと虫歯になったり歯周病を発症してしまいます。定期検診・メンテナンスを受診してください。
ホワイトニング
歯の表面に薬剤を塗布し、歯に沈着した色素を脱色する治療です。ホワイトニングには歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、自宅で行うホームホワイトニングがあり、どちらにもメリットとデメリットがあります。
歯の黄ばみ色素を分解して、本来の白さを取り戻すことができます。定期的にホワイトニングを行うと、より効果的です。
後戻りしやすく、定期的に行う必要があるなどの注意点もありますが、歯を削ることなく白くしたいという方にはおすすめの方法です。
ホワイトニングが効果を発揮できるのは天然歯のみなので、差し歯や詰め物を入れる予定のある方は、ホワイトニングをしてから入れるようにするとよいでしょう。
自然な美しい仕上がりになりますが、効果に個人差があることと、色の濃い食べ物を食べていると数ヶ月ほどで後戻りしてしまうことがあるということに注意が必要です。 また、治療後は歯がしみるといった痛みを感じる場合があります。
▼ビフォー
(ホワイトニング前)
▼アフター
(ホワイトニング後)
施 術 名 │オフィスホワイトニング
料 金 │90分 35,000円(治療費は器具の材質などによって異なります)
考えられるリスク │治療後は正しく歯を磨く必要があります。清掃が不十分だと虫歯になったり歯周病を発症してしまいます。定期検診・メンテナンスを受診してください。
セラミック
削った歯にセラミック製の差し歯を被せる方法です。ご自分の歯を削る必要があるので、クラウンを被せた後でしみてこないように、神経を取ってから治療する場合があります。これは保険の差し歯(前装冠)も同様です。
プラスチックの白さより抜群に透明度が高く、より若々しい印象を与えます。
どれほど効果が現れるのかある意味運任せになってしまうホワイトニングとは異なり、セラミックは作成前に患者様がご自分で希望の白さを決めることができます。
さらに、セラミックは色が劣化することがないとされているので、患者様がご希望された色のまま、何十年と美しさを保つことができます。
削った歯の表面だけに板状のセラミックを貼り付ける治療です。セラミッククラウンと同じ材質のため、色が劣化しない特徴も同様です。
セラミッククラウンほど大きく天然歯を削る必要がないため、歯の神経を取らずに済む可能性が上がります。
咬み合わせの深すぎる方には、割れてしまう可能性があるためラミネートベニヤよりもセラミッククラウンが向いている場合があります。
セラミックはおすすめの治療方法です
患者様の咬み合わせやお口の中の状態により、ラミネートベニヤとクラウンのどちらが適しているのかは異なりますが、どちらのセラミック治療もクリーニングやホワイトニングと比べると、仕上がりの見た目の美しさが段違いです。
一般的な基準の色よりもっと真っ白にすることも、自然な白さにすることも可能です。
患者様がご自分で事前に決められるのは色だけではありません。大きな前歯を小さくしたい、出っ張りすぎている歯をもう少し引っ込めたいといった、形や大きさのお悩みも、セラミックなら一気に解決することができます。
また、上記でも記述いたしましたが、セラミックは白さを保ったまま色が劣化することがありません。何十年経っても、作成当時の美しい白さを保ったまま過ごすことができるのです。加齢による歯の黄ばみに悩む必要も、ホワイトニング後の後戻りに悩む必要もなくなります。
歯を矯正している時間のない芸能人やタレントの方に人気の治療でもあります。
▼ビフォー
(セラミック矯正前)
▼アフター
(セラミック矯正後)
施 術 名 │セラミック矯正治療
料 金 │1本39,800円~70,000円(治療費は材質や治療本数によって異なります)
考えられるリスク │治療後は正しく歯を磨く必要があります。清掃が不十分だと虫歯になったり歯周病を発症してしまいます。定期検診・メンテナンスを受診してください。
セラミスト(セラミック専門歯科技工士)による仕上がりのカウンセリング
せっかく歯をキレイにするなら、自分の理想の美しさを実現させたいですよね。
そこで博多プライベート歯科では、院内に技工室を設け、歯科技工士が常駐する環境を整えています。
患者様と技工士の間に医師が入って又聞きのような形でご希望を伝えるのではなく、技工物を実際に作成する技工士と患者様が直接お話しできることで、直接的にお悩みやご希望を制作物に反映させることができます。
当院にご来院くださる患者様が「他院で差し歯を作る時、医師が勝手に差し歯の色を決めてしまい、選ぶことができなかった」という不満をご相談くださることがあります。
当院では患者様に鏡で見てもらいながら豊富な色見本と照らし合わせ、患者様と一緒に決めていきますので、仕上がりが思っていた色と違ったということにはなりません。
天然歯に合わせた自然な色にすることも、真っ白でゴージャスな印象にすることも可能です。
セラミックが出来上がるまでの期間は仮歯を入れておくことで、見た目の問題や歯が動いてしまうことを防いでいます。
この仮歯も差し歯づくりのプロであるセラミストが作成するので、短時間で美しいものをご提供できています。
色を決めるときと同様に、仮歯を患者様に鏡で見ていただき、「この歯だけもっと小さくしたい」「もっと唇側に厚みが欲しい」など、ご希望に合わせて細かく形を整え、この仮歯と同じ形になるようにセラミッククラウンを作成いたします。
信頼できるセラミストと医師がタッグを組み、患者様にご満足いただけるオーダーメイドのセラミックをご提供しています。
一口に歯の黄ばみといっても、様々な原因と治療方法があることがわかっていただけたかと思います。
歯の変色でお悩みの方には、まずご自分の歯が変色してしまった原因から診断し、患者様のお口の環境や、求める美しさ・治療期間・ご予算等のご要望に合わせた治療方法をご提案させていただきます。
いつまでも若々しく、美しい歯を手に入れれば、自信と元気を取り戻すことは十分可能です。
「きれいにしたいけど古い差し歯だからしょうがない」「生まれつき・または加齢によるものだから治してもどうせ無駄」などと諦めずに、一度ご相談ください。