勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは⑥

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

今回ご紹介するのは「スラープアンドスワロー」という
正しい嚥下(飲み込み方)を覚えるためのトレーニングです。
喉だけを使って飲み込むことができるようになることが目標となります。
ストローと清潔なスプレー、水を使って行います。

手順
①両側の奥歯でストローを噛む。(ストローの両端が口の両端から出ている状態になる)
②ストローを噛んだまま舌先をスポットに置き、舌全体を口蓋(上顎)に吸い付ける
③口の端からスプレーで水を吹きかけ、口の中に水を入れる
④奥歯を噛み合わせたまま、舌の位置も動かさないまま水を吸い込んで飲み込む。
これを鏡を見ながら左右交互に5回ほど繰り返します。

鼻呼吸が難しい方や、口の筋肉が弱い方には難しく感じられるはずです。
正しい飲み込み方ができていないと、歯並びに悪影響があります。
改善できるよう訓練してみましょう。

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは⑤

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

お家でも簡単にできるMFT(口腔筋機能療法)のひとつに
「ガラガラうがい」があります。
水を口に含み、上を向いて大きく口を開けたまま、声を出してガラガラとうがいを行うと
鼻から息を吸い、口から吐くことで鼻呼吸の学習のMFTとなります。
10秒間のうがい・5秒間静止・再度10秒間のうがい
これを2~3回繰り返した後、水を吐き出しましょう。

うがいは鼻呼吸の訓練にもなり、風邪など感染症の予防効果もあります。
また、現在は新型コロナウイルスの感染者数が全国的に増えていると言われています。
うがいではコロナウイルスを洗い流すことは難しいというデータもあるようですが、
口腔内を清潔に保つことは、免疫力の向上に繋がります。
口腔筋機能の改善を目的としない場合でも、うがいを生活に取り入れることをお勧めいたします。

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは④

こんにちは。博多プライベート歯科のドクター前田です。

今回は舌を上に持ち上げる筋力を上げるための簡単な方法をご紹介します。
「ポッピング」と言われるこの方法は、誰もが1度はやったことがあるかもしれません。

①舌先を上顎のスポットに付けます。

②舌全体で上顎を吸いながら口を開き、舌小帯という舌の裏にある筋を伸ばします。
舌で上の歯を覆わないよう、歯列の内側の口蓋だけに舌が収まっている状態にしましょう。
舌は上顎の真ん中に位置していて、左右対称に吸えている状態にしましょう。

 

 

③舌を下に勢いよく下げ、「ポン」となるべく大きく音を鳴らしましょう。
吸い方が弱いと、小さな音しか鳴らせないはずです。

この運動は速く連続してやるよりも、ゆっくり10~20回ほど繰り返すのが大切です。
上顎を吸うことが難しい方は、まずは舌を下ろして
小さな音でも出してみることから始めてみてください。

道具が不要で、簡単なトレーニングですが
高齢者の奥地の健康を改善するための訓練として臨床現場で行われるMFTです。

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは③

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

普段の舌の位置が大切で、歯並びにも強く影響するとご紹介いたしました。
舌を正しい位置に置いたとき、舌の先端が触れる箇所を
「スポットポジション」と呼びます。
上の前歯裏の、口蓋(上顎)の膨らみのすぐ後ろがスポットポジションです。
舌の先端はスポットポジションにあり、
舌全体は口蓋にピッタリとくっついているのが正しい状態です。
このスポットポジションは普段から意識することは難しいため、
癖をつけ、無意識に舌を正しい位置に置いておけるようになるためのトレーニングがあります。

1.アイスの棒や割り箸など、尖っていない木のスティックで
 スポットポジションに触れ、5秒数えます。
2.スティックを離して同じ位置を舌先で触り、5秒数えます。
 舌は丸めず、先を尖らせて行いましょう。

これを交互に5階繰り返すことで、体で覚えて
無意識下でも舌の位置を正すことができるようになります。
簡単なので、普段舌が上顎についていない方は
ぜひ挑戦してみてください。

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは②

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

前回はMFTというお口周りの
筋肉の機能改善トレーニングについてご紹介いたしました。
今回は口呼吸から鼻呼吸になれるよう、福岡市の医師が考案した
「あいうべ体操」をご紹介いたします。

「あいうべ体操」は、口や顔の筋肉を鍛えるための簡単な体操です。
日常的に取り組むことで、口周りの筋力を強化し、
口腔機能や表情の改善、口唇の美容効果を期待することができます。

手順
①「あ」と発声しながら口を大きく開ける

口を大きく開け「あー」と発声します。
5秒間キープしてリラックスします。

②「い」と発声しながら口を縦に伸ばす


口を閉じた状態から、「いー」と発声しながら口を左右に伸ばします。
5秒間キープしてリラックスします。

③「う」と発声しながら唇を突き出す


口を閉じた状態から、「うー」と発声しながら唇を丸くしましょう。
唇の内側の筋肉を意識して緊張させます。
5秒間キープしてリラックスします。

⑤「べ」と発声しながら舌を出す


口を閉じた状態から、「べー」と発声しながら舌を出し、下に伸ばします。
5秒間キープしてリラックスします。

このように、あいうべ体操は
「あ」「い」「う」「べ」という発声と共に
口や顔の筋肉を動かす簡単な体操です。
日常的に行うことで口元の筋力を向上させ、
口腔機能や表情の改善、口唇の美容効果を期待することができます。
ただし、無理な力を入れずに行うことや、
痛みや不快感がある場合は中止することが大切です。

あいうべ体操は、口や顔の筋肉を鍛えるための簡単な体操ですが、
効果を感じるためには継続的な取り組みが必要です。

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

前回は歯並びが悪くなってしまう癖「口腔習癖」や、
その癖を改善するためのトレーニングがあることについて
ご紹介いたしました。
今回はトレーニングである「MFT」についてご紹介します。

MFTとは「Oral Myofunctional Therapy」の略で
「口腔筋機能療法」を意味します。
食べ物を噛むときや飲み込むとき、喋るときや呼吸をするときの
舌や唇の動きや位置を正しくすることで
口腔習癖や矯正治療後の後戻りを改善・予防します。

何もしていないときの舌の位置は、
上顎に付けているのが正しい状態です。
無意識に前歯に舌を押し付けるような癖があると、歯が前に押し出され
出っ歯の歯並びになってしまいます。

このような、悪い癖を治し、正しい動きや位置を訓練するのがMFTです。
舌の位置以外にも様々な訓練方法があります。
続きは次回ご紹介いたします。

 

勉強会:歯並びと癖

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。
歯並びが人によってちがうのは、遺伝的な要因もありますが
その人の癖によっても歯並びに影響があります。

歯は、少しの弱い力でも、継続して負荷をかけ続けると
傾斜したり移動したりします。
この歯が動く特性を利用して、歯並びを美しく並べ直すのが
歯列矯正治療ですが、悪い方にも動いてしまいやすいのです。

歯並びを悪くする癖とは、舌によって歯を押してしまったり
口をすぼめたり、口を開けっ放しにしていたりと、様々なものがあります。
こういった癖を見つけ、治すための訓練を指導するのも
矯正専門の歯科医院としては欠かせないものであると考えます。

訓練は、小児矯正で取り入れられることが多いものですが、
子供の頃からやっていないと意味がないということはありません。
大人の方でも、歯並びの悪化や、治療後の後戻り防止のために
意識して普段の生活に訓練を取り入れていただきたいですね。
次回からは、こちらで紹介していければと思います。

勉強会:後戻りの対処

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

矯正後の後戻りの対応についての勉強会で、
スタッフたちと意見交換をする場がありました。

矯正治療は、ブラケットやワイヤーなどの矯正器具を
外したら終わりというわけではありません。
自分では外せない器具を外した後は、自分で着脱する
リテーナーという保定装置を使っていただく必要があります。
リテーナーは、徐々に使用時間を減らしていくもので
最初のうちは外してもいい時間の方が短く、
煩わしく感じられることでしょう。

以前、ある患者様が保定期間中の定期点検に来られなくなり、
しばらくして「歯並びが後戻りし始めてしまった」と連絡がありました。
しっかりリテーナーは使っていたとおっしゃっていましたが、
久しぶりにお口を見てみると、上下の正中がずれており
装着していればここまで戻ることは考えにくいというほどには後戻りしていました。

しかしここで患者様を責めても、解決することは何もありません。
しっかりと対処し、今後はどうすればリテーナーをしっかりつけられるようになるか
違和感がなくなるよう作りを調整することや、
つけていられるにはどうすればいいのか、
患者様に今後のためのご提案をすることが最も大切であると考えます。
スタッフとこの意識を共有し、
患者様が後ろめたい気持ちや自棄になってしまうことのないよう
医院としてできることを誠実に行っていこうと再確認いたしました。

勉強会:拡大床の正しい使用

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

拡大床(かくだいしょう)という矯正装置をご存知でしょうか。
今回は拡大床についての勉強会で学びがありました。

主の小児矯正に用いるものなので、子供の頃に使ったことがない方や
自身のお子様が矯正治療中だという方以外には、あまり馴染みのないものかも知れません。

子供の頃から拡大床を使って顎を広げておけば、歯が並ぶスペースを確保でき
抜歯をしなくても矯正治療が可能になる
というのが拡大床のメリットなのですが、
医師の誤った拡大床の使用により、トラブルが起こってしまう事例もあるのです。

勉強会では、実際のトラブルが起こった口腔内の写真を使って
このようなトラブルが起こった原因と、防ぐためにはどのような処置が必要であったか、
ここから改善していくためには、どのような方法が適しているかなど
スタッフみんなで意見を出し合いました。
ベテランの先生の意見はやはり参考になります。

大人になる前に歯並びを治しておいてあげようという
親御さんの気持ちを台無しにしてしまうような、
歯の寿命を縮めてしまうようなトラブルも現実に起こっています。
みなさんがお子様の矯正をお考えになる際には、
しっかりと医院について調べてみてくださいね。

勉強会:シュアスマイルのセミナー

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

歯科材料や治療器具を製造・販売する歴史ある企業
デンツプライシロナ社が提供しているマウスピース矯正
シュアスマイルについてのセミナーに参加した際、
20~50代の男女500名を対象に意識調査を行ったところ、
7割の人が笑顔に自信がない理由に「歯並びの悪さ」を挙げていた
という結果となったのだそう。
せっかくの笑顔に自身が持てないというのは、
とってももったいないことだと感じます。

セミナーはシュアスマイルの3D技術を駆使したシミュレーションや
シュアスマイルで治療可能な症例などが主に紹介され
改めて患者様にお喜びいただける矯正治療方法であると認識いたしました。

しかし、どのような症例でも対応できるということではありません。
シュアスマイルは、舌側傾斜の歯をまっすぐに直すことは得意ですが
噛み合わせが深すぎる過蓋咬合を治療するのには向いていない場合があります。
私達歯科医師は、どの治療器具がどのような症例に対応できるのかしっかり学び
患者様に正しい情報をお伝えできるように知識を深めておく必要があります。

勉強会:ニーズのある治療方法

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

先日参加したマウスピース矯正のセミナーで、
大手歯科用器具メーカーの社員の方とお話をする機会があり
その際にうかがったお話なのですが、
ワイヤー矯正用のブラケットという矯正器具を製造するための工場を売却したのだそう。

決して経営不振などの理由ではなく、
現在ではマウスピース矯正の需要が急速に高まっており、
ワイヤー矯正のニーズが低下しているため、売却が決定されたのだそうです。

私達も日々たくさんの患者様のカウンセリングを行うので
マウスピース矯正の人気は承知していましたが
実際に材料を製造しているメーカーの方から
このように具体的なお話をうかがった時は、なるほどなあと感じました。

今はまだワイヤー矯正でしか治せない歯並びがあったりして
ワイヤー矯正のほうがメジャーなイメージですが、
マウスピース矯正の開発が進み、どのような症例にも対応できるようになって
ワイヤー矯正のほうが珍しい という時代が来るかもしれませんね。