こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。
日本口腔外科学会雑誌に、13歳の子の埋伏歯の抜歯について掲載されていました。
埋伏歯自体は特別珍しいものでもなく、歯根完成後に顎骨内を移動することもありますが
こちらの症例では犬歯が眼窩下縁に逆生埋伏しており、成長過程の記録もできた珍しい症例でした。
学童期や青年期に見られる埋伏歯は、乳歯が長く残ったり、永久歯の生える時期が遅れたりすることで
画像検査をきっかけに発見されることが多いです。
多くの場合、痛みや腫れといった症状がないため、経過観察を選択されるケースもあります。
本症例も特に症状は見られず、紹介先の歯科医院では経過観察となっていました。
しかし、今回のケースでは、眼科との連携診療により
鼻涙管への進展によって流涙が生じる可能性や、
眼窩内に進展した場合に複視などの眼症状が現れる可能性が指摘されました。
そのため、全身麻酔下での抜歯が行われました。
治療の成功には、正確な診断と計画、そして各分野の専門家との連携が欠かせない場合もあります。
本症例では、患者様の将来的な生活の質や健康を優先し、
眼科医との協議を経て抜歯の方針が採られました。
このような治療方針は、単に目の前の問題を解決するだけでなく、
潜在的な合併症のリスクを未然に防ぐためのものです。
当院でも、各分野の専門家との連携など、患者様にとって最善の治療をご提供できる体制を整えております。
今後も、より多くの患者様が安心して治療を受けられるよう努めてまいります。
埋伏歯やその他の症状についてご心配がある方は、ぜひ一度ご相談ください。