こんにちは。博多プライベート歯科のドクター田中です。
現在2024年より53年前の1971年に発行された日本歯周病学会会誌に
「矯正装置が誘発したと思われる歯周病の一症例について」という症例が紹介されていました。
当時30歳の患者様は10代の頃に歯列矯正治療を受け、
上下左右の6番の動揺が大きくなったことで歯科医院を受信しました。
レントゲンでは著しい骨吸収が見られ、この原因は矯正用バンド装着による負担過重性吸収であると結論付けられました。
連続インレーの永久固定装置を装着し、歯槽骨の回復を期待するというところで記事は終わっています。
現代の矯正治療は、50年前とは比べものにならないほど進化しています。
当時は装置の大きさや形状から清掃が難しく、歯周病や骨吸収のリスクが高まるケースも少なくありませんでした。
一方、現在では技術革新が進み、矯正装置の選択肢が格段に広がっています。
例えば、目立ちにくいセラミックブラケットや、
取り外し可能なマウスピース矯正(インビザラインなど)が登場し、審美性や利便性が大幅に向上しました。
マウスピース矯正は装置自体が薄く、歯磨きや口腔ケアがしやすいため、
歯周病リスクを最小限に抑えながら治療を進めることができます。
さらに、デジタル技術を活用した治療計画の立案も可能です。
口腔内スキャナーや3Dシミュレーションを用いることで、歯の動きを精密に予測し、患者様にとって負担の少ない治療が実現しています。
もちろん、どれだけ技術が進んでも適切な口腔ケアと定期的な管理が不可欠です。
矯正治療中は、歯並びの改善とともに歯周病の予防にも意識を向け、トラブルなく治療を完了することが大切です。
時代とともに矯正治療はより安全で快適なものへと進化しています。
歯並びや噛み合わせに悩みがある方は、ぜひ現代の治療法を知っていただき、歯科医師と相談しながら適切な方法を選んでいただければと思います。