福岡市博多区の精密入れ歯・義歯・審美治療の博多プライベート歯科

包括歯科治療の流れ

安心して治療を受けていただけます
~包括歯科診療の流れ~

博多プライベート歯科の包括歯科診療の治療の流れをご紹介します。包括歯科診療の場合はじっくりと取り組む必要がありますので、検査を大切にしています。

1.初診カウンセリング

初めて来院していただいた日は、お口の中に発生したトラブルについて良く調べます。当院では、次のような検査を行います。

問診
レントゲン撮影
口腔内写真
全身写真
お口の模型(歯型)

痛みなどがある場合は、先にその痛みを取り除いてから、検査を行うときもあります。どうしても我慢ができない痛みがある場合はご遠慮なく、おっしゃってください。

<包括歯科診療の流れ>

初診

応急処置

コンサルテーション
(治療に対する大まかな方向性の説明)

一般的な歯科治療
(局所を単位とした治療)
審美治療など
包括的な歯科治療
(顎口腔全体を単位とした治療)
入れ歯・矯正治療など

基礎資料の収集
(レントゲン検査・P検査・模型・写真・各種問診・チャート等)

総合診断・治療計画
(再度のコンサルテーションと同意)

検査で得た資料をもとに、今のような状況になった原因を調べ、かみ合わせがどこまで悪くなっているのか、治療のゴールはどこなのかを考えます。様々な病気の成り立ちやかみ合わせについては現在、たくさんのデータの分析が進み、明らかになってきています。

2.検査結果のご説明

初診時に得た資料をもとにして、患者様に症状の原因の説明と治療のゴールについてご説明します。治療のゴールまでの方法は通常いくつかあります。患者様のご要望に応じて相談いたします。

3.顎(あご)の関節の痛みなどの症状、下の顎の位置に偏りを治す

不定愁訴のある方は、実は顎の関節が悪い場合があります。顎に痛みがある場合や、痛みに自覚がなくても、下の顎の位置がずれている場合は、スプリント(マウスピース)を作って治療をしていきます。

スプリント治療を行う間、歯肉や歯の根に悪い部分がある場合は、可能な範囲での治療を進めていきますので、ご安心ください。

4.歯の並びや位置を本来あるべきところに戻す

不定愁訴や顎の関節が症状の消えたり、顎の位置が安定したら、歯の並びや位置を治す矯正治療に進みます。矯正治療を行わない方は、シェル状の仮歯(つけ爪みたいなもの)を用いて、歯並びや噛み合わせを整えていきます。

シェル状の仮歯を必要なところに付けていきます。(上が模型で、下が仮歯)
仮歯を付ける前仮歯を付けた後

この仮歯をつけると、2週間~1ヶ月くらい、食事の時に味が感じられなかったり、うまく噛めなかったりすることがありますが、心配ありません。その状態が正しい状態ですので、いずれ馴染んできます。

5.同時に歯の根の治療、歯周病の治療などを進めていきます

必要な部分に関しては根管治療(歯の根の治療)、歯周病の治療などを行います。またどうしても残せない歯は抜歯をして、インプラント入れ歯治療などを行います。その際はきちんとご説明いたしますので、ご安心ください。

すでにかぶせものが入っている部分は、シェル状の仮歯をつけてから、さらに別の仮歯に置き換えていきます。きれいになったように見えますが、まだ仮歯の状態です。

1.銀歯をシェル上の仮歯を付けて 2.型を取り
3.仮歯となる材料を入れて 4.銀歯を外し仮歯をかぶせます

6.かぶせものなどのご説明

根管治療や歯周病の治療が終わったら、再度、咬み合わせの面を基準に、機能的にも見た目にも最終的なかぶせものに近い仮歯を作っていき、最終的なチェックを行いながら、補綴の方法や材料(「補綴」は「ほてつ」と読みます。かぶせものなどのことです)などを決めます。

場合によっては、最終的な顎の位置を修正をするために再度マウスピースを使うことがあります。必要に応じて、最終的な補綴物が入る前に、さらに仮歯を作る場合があります。そして、最終チェック後、最終的な補綴物の型採りに入ります。

このあたりで2回、3回と仮歯を作ることがあると、治療を焦ってしまって「まだなの? 早く!」と思ってしまいがちですが、ここが我慢のしどろこです。この最終調整をしっかりと煮詰めることで、よりよい結果が得られます。だから、焦ってはいけません。最後まで治療をがんばりましょう!

7.最終的な補綴物を入れます。

いよいよ、長かった治療も終わりを迎えます。長い時間でじわじわとよくなっているので、いつの間にか体もお口の中もすっきりしているはずです。

そして、最後まで治療が終わったら、これからもいい状態を保っていくため、定期的な検診をしていきましょう! もちろんセルフケアや治した方がいいクセ(「態癖」といいます)のアドバイスも行います。

「包括歯科治療」って何? 大切なポイントはここ!

いつも同じ部分の歯が痛んだり、詰め物が取れたり、毎日きちんとお手入れをしているつもりなのに、なぜかしょっちゅう歯の治療をされていませんか?

肩や首、背中や腰が痛くて、整体や整骨院のお世話になるたびに骨盤のずれや両足のバランスが悪いと言われていませんか?

なんか頭も体もすっきりしなくて、不定愁訴と言われて、いろいろ治そうと努力しているけれど、なかなかよくならない状態ではないですか?

実は、このような悩みは、お口の問題が大きく影響を及ぼしていることが多いのです。

私たち、あっぷる歯科は、「お口の健康を回復することによって、患者さまの健康・長寿を実現すること」を理念に診療を行っています。

日本人の平均寿命は83歳と年々増加傾向にあることは大変素晴らしいと思います。しかし一方で、多くの方が長い期間(平均介護期間6.4年)、人の手を借りて過ごさなければならない状況になっているのが現実です。

65歳以上の方で介護が必要になる背景には、肥満からくる脳血管疾患、低栄養による衰弱、体のバランスを崩した結果の転倒骨折、そして認知症があります。

あまり知らていませんが、これらのことはすべてよく噛めない、よく噛まないということに深く関わっています。当院では、全身の健康に良い下の顎の位置の維持・安定を重要視しています。下顎は重垂(「じゅうすい」と読みます)とも呼ばれており、体のバランスを担っています。

例えば、頭を前に傾ければ下顎は前に移動し、相対的に頭の上部を後ろへ移動させて、頭の軸を復元させようとしています。しかし、この下顎の位置がずれると姿勢や自律神経系の失調をきたすことも知られています。

この下顎の位置がずれてしまうと噛み合わせに異常をきたし、さらに悪くなるのを加速させます。そうすると、さらに下顎の位置が変化していきます。原因が結果になり、結果がまた原因となって噛めない、噛まないという状況が起こってくるのです。

噛めない、噛まない状況は生活習慣病の入り口です。慶応大学の伊藤裕先生が提唱された「メタボリックドミノ」にあるように 脂質代謝異常、高血糖、動脈硬化、多臓器疾患へと「ドミノ倒し」のように、あっという間に病気が拡大進行してしまいます。

下顎がずれる原因としては、むし歯や歯周病によって歯を失ってしまうことだけでなく、顎にかかる力の要素(かみしめ、歯ぎしり、横向き寝や頬杖などの態癖・・など)が複雑にからみあっています。

これらは目で見ることが難しく、日常の診療では見過ごされがちなので、お口の中をいくらきれいに治しても、お口のトラブルや体の不調がよくならないのです。

歯が痛むとか、歯を失うということはその部分の以外のところに大きな問題があって、そのことに気づかないことが多くあるのです。

ですから、自覚症状の目に見えない本当の原因を探して、治療しなければいけません。そして、その原因はお口を動かす顎や咬む力がポイントになることが多くのケースで見られます。

そこで、患者様を全体的(包括的)な視点から診査し、顎や顎の周りの筋肉のバランスを乱す原因を見つけ、取り除き、元々あった人間の治癒力を引き出すのが「包括歯科診療」です。包括歯科診療によって、患者様がお口の中だけでなく、体全体も本来の調子を取り戻し、健康で長生きしていただきたいと考えています。

私自身、長い間、腰痛や首の痛み、偏頭痛に悩まされていました。仕事中の無理な姿勢によるものとあきらめていたのですが、「包括歯科診療」という考えに出会い、全身の中の口腔、全身の健康によい下の顎の位置を調べて、必要な治療を実践したところ、痛みが消え健康を取り戻すことができました。

現在、多くの人に「包括歯科診療」を知ってほしいという気持ちを持って、日々の診療を行っています。もし、これをお読みのあなたが、腰痛・首の痛み、偏頭痛や不定愁訴に困っていて、健康のための歯科治療をご希望されていたら、ぜひ1度、当院にご相談ください。

包括歯科診療のケース紹介

「奥歯が、割れて抜歯になってしまった」といったケースのご紹介です。

通常失った部分の両サイドの歯を削ってブリッジにするか、取り外し式の部分入れ歯にするか、インプラントにするかの説明はあっても なぜこの歯が割れたのか?についてくわしく検証されるケースは 歯科の場合、残念ながらなかなかありません。

実際、その患者様の、その時点での噛み合わせなどを含めたお口の中の条件では割れるべくして割れてしまったということが多々あります。

つまりその条件を変えないまま、原因を放置したまま、壊れた道筋を考えないまま、そこに新たに修復を加えても長持ちするはずもないばかりか、新たな欠損や機能障害を生んでしまうことはご理解いただけると思います。

もっと具体的な実際の例でお話しますと、左下の奥歯が割れて来院された患者様がいらっしゃいました。残念ながら抜歯することになってしまいました。

全体的にお手入れは大変良い患者様でしたので、単純にそこだけむし歯が進んだとは、考えにくかったので、一般的な検査に加え、今までの経緯や生活習慣、全身の姿勢や顔貌、寝方や頬杖などの態癖、さまざまな角度で検証させて頂きました。

その患者様は右に比べ左の噛み合わせが低くなっており、下顎の正中(真ん中)が右にずれていました。上顎の歯列は右の方が狭くなっており、また右下の奥歯は舌側に倒れていました。

この患者様の場合、左頬杖のために下顎が右にずれ、また右向き寝によって上顎の歯列が狭くなってしまったために、上顎と下顎の歯列に大きな左右差が生まれ、上下の奥歯の被蓋関係がより左噛み傾向を促進し、左の奥歯に負担がかかりすぎ、破折につながったことが推測されました。もちろん顎関節の異音や開閉口時の関節の動きの異常もそのことが関わっていました。

この場合の治療法は、右にも左と同様に良く噛める、噛みやすさの条件を整えるということが治療のゴールです。そのためにまず、できるだけ仰向けに寝ていただくことや、頬杖を意識して改善することから協力をお願いし、ずれてしまった顎の位置を真ん中にもどし、狭くなった歯列を整え、低くなりすぎた左の噛み合わせを高くし左右のバランスを整えたあと、失った部分をどうするかというご相談になります。

インプラントは失った部分だけを補う方法として今ではその安全性も確立され、大変良い方法だと考えます。しかし 今までお話ししましたように 壊れた意味、原因をないがしろにして使うと場合によっては、周りや噛みあう相手の歯の寿命を縮めてしまい、新たな欠損を生みかねない状況もひきおこす可能性があります。

このように原因をきちんと推察しないまま治療することは患者様の健康を取り戻すことはおろか 新たな病因も作りかねないということを強く気付かされました。

全身から口腔をとらえ、口腔から全身を治していくことこそが、歯科治療を通じて患者様を健康に導くことだと考えます。

来院されたときの状態(第1段階)
シェル状の仮歯をつけた状態(第2段階)
最終的な補綴物に近い仮歯の状態(第3段階)
治療終了時の状態(一部保険で治療をした場合の状態です)